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2016年3月26日 (土)

反核WSFワークショップ「クライメート・ジャスティスの観点からCOP21交渉と原発再稼働を考える」

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23日のオープニングフォーラム、24日〜25日のフクシマスタデイツアーと交流集会、26日脱原発大集会を終え、いよいよ「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」は、本格的な討議が始まりました、今日はワークショップ「クライメート・ジャスティスの観点からCOP21交渉と原発再稼働を考える」が、水道橋のスペースたんぽぽでおこなわれ、会場はほぼ満席の盛況でした。

このワークショップは「気候変動の影響にあえいでいる国や地域、人々は途上国に多い。では、気候変動枠組条約の「共通だが差異ある責任と能力」原則は、2015年12月 にパリ開催されたCOP21交渉ではどの程度満たされたのだろうか。本分科会では、クライメート・ジャスティスについて考える。そして、原発再稼働が温暖化対策にならないことを立証していく」という趣旨です。

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ワークショップでは、最初に日本から2人、フランスから2人のパネラーが発言し、質疑討論をおこないました。まず、パネラーの発言を紹介していきたいと思います。トップバッターは、明日香壽川さん(環境エネルギー政策論、東北大学)です。

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 ジャスティス、原発と温暖化との関係、ダイベストメント、投資・金融、訴訟への影響を中心に考えていきたい。

(1)たくさんの不公平

 まず世界には、たくさんの不公平があるという問題です。フィリピンを台風が襲ったときの写真やインドの干ばつの写真を見てもわかるように、気候変動でより大きな被害を受けるのは、脆弱なインフラしか持たず経済発展途中のエネルギー使用量や排出量がまだ小さい貧しい人々であるという構造があります

 同じコインの裏側ですが、化石燃料を売る人々、原発を推進する人々、石炭火力発電を作る人々、武器を作って輸出する人々、新自由主義や市場原理主義を信奉する人々、保守政権を支える人、保守政権の人々、温暖化懐疑論を広める人々、たくさんエネルギーを使ってCO2を出す人々、1%の人々はかなり、というかほとんど重なっています。

 原発も温暖化も同じで、原因を作るのは1%の人々、被害を受けるのは99%の人々なのです。すべては責任、費用、便益の分配における公平性の問題にあえいます。世の中の問題、政治はまさにこの問題をどうするかだと思うのです。

 

(2)日本の温暖化対策

 次に、日本の温暖化対策について触れたいと思います。安倍政権は、温暖化対策に熱心だと自分では言っていますが、国際社会での評価全然違います。石炭火力発電を輸出するという問題に対して、シェラクラブは「日本人は、日本企業の利益と地球益が同じものだと勝手に思い込んでいる」という意見を表明しています。原発輸出でも同じ問題があります。

 

(3)脱原発と脱温暖化と経済の鼎立

 脱原発と温暖化、経済の関係を整理してみました、

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ポイントは、日本政府が「原発は温暖化対策に必要だ」と言い続けてきたので、それに惑わされている人がたくさんいるということです。一般の人だけでなく、脱原発の活動家の中でも温暖化対策に懐疑的な人がいます。

 東北電力は、女川原発の再稼働に向けて、今年1月、「原発が再稼働していないので温暖化対策に影響が出ている」というビラを30キロ以内の家庭に配布しました。そういうことが起きるのは、研究者が現状をきちんと説明できていないのが問題で、われわれの責任だと思います。

 脱原発と温暖化対策が両立しないと思い込んでいる人が多いが、そんなことはありません。ドイツがその例です。ドイツは原発ゼロを決めた上で、CO2を55%削減するという高い目標を掲げています。これは日本より37ポイント高いものです。原発がないと温暖化対策ができないというのは全くの嘘です。やる気がないということだと思います。

 実は、再生可能エネルギーの方が原発より価格が安い状況が続いているのです。脱原発と温暖化、経済成長が鼎立しないと考えている人が日本には多いが、そんなことはありません。そうなっている理由の一つは、政府が再生可能エネルギーの値段をなるべく高くしようとする政策をとっているからです。

 

(4)パリCOP21の評価

 パリの話を少しします。パリのバス停には、エキソンモービルを批判するポスターが貼られています。キャメロン首相や安倍首相を風刺したポスターもあります。

 日本の場合、原発や温暖化の問題で、立法・行政に期待できないので、司法の面で大きな動きがあると思っています。原発再稼働でも勝っていますし、公害問題でも裁判の果たした役割は大きかったからです。にほんではまだありませんが、について温暖化世界中でいろんな裁判が起きています。原発と同じように、温暖化でも被害を受ける人々が企業や政府に対して裁判を起こしているのです。これは、温暖化問題でも、加害と被害がはっきりできる段階に入ったということを示しています。企業の場合は訴えられると、株価に影響が出たりするので、素早い対応が期待できるかも知れません。

 

(5)不作為の政治経済リスク:ダイベストメント、投資・金融、訴訟

 原発、温暖化問題でお金の動きがどうなるか、訴訟がどうなるかという話をしたいと思います。

 1.5℃や2℃の目標を達成するためには、化石燃料は使えません。そうすると埋まっている化石燃料は座礁資産、つまり不良債権になります。それが100兆ドルあるので、化石燃料関連の会社の株価はすごく下がっていて、破産寸前のところもあります。いまダイベスト(投資撤退)運動がアメリカの大学から始まり、銀行、年金、都市、財団など世界中に拡がっています。

 金融安定理事会で、気候変動リスクについて議論が始まっていますし、フランスではエネルギー転換法ができ、その173条で企業や投資会社に「気候変動リスクによって影響を受ける経営資産」「経営や投資ポートフォリオと2度(1.5度)目標との整合性」などに関する情報公開を義務付けました。これは画期的なことで、これによりおカネの流れが変わる可能性があります。たとえば、投資マネージャーが気候変動リスクを考えて投資をしていないと訴えることができるようになるのです。

 たとえば、オランダのNGOがオランダ政府を訴えて、NGOが勝訴したり、エキソンモービルがニューヨーク市などから訴えられたりしています。タバコ会社に対する訴訟と同じ構造です。タバコ会社は「健康に害はない」と嘘を言っていることが分かり、膨大な補償金を払わなければなりませんでした。同じことが化石燃料会社にも起こりつつあります。

 パリ合意には、「損失と被害」という条項が途上国のプッシュで入りました。日本では政府も取り上げませんし、報道もされていませんが、裁判につながる内容になっています。今後はいろんな訴訟が各地で起きます。いや、すでに起こっています。タバコやアスベストで起きたのと同じ状況が起きています。温暖化、原発の問題が司法の場で問われるようになっているのです、

 今日のメッセージはジャスティスですが、司法の場でジャスティスが問われています。むしろ、司法でしか問うことができない状況とも言えます。パリ合意は終わりではなくて始まりです。多くの問題は先送りされています。市民社会がクリエイティブなことをやらないと変わらないと思います。その一つが訴訟です。成功、失敗のお手本もあって希望はあると思います。

 COP21の会場の外にあるミニエッフェル塔には「システムチェンジ・クライメットチェンジ」というスローガンが貼られていました。「システムが変わらないと気候変動は止まらない」というスローガンです。同じことをアメリカ大統領予備選挙で、サンダース候補が掲げています。彼は「アメリカにとって最大の安全保障問題は何か」と聞かれると、気候変動だと答えています。

 

(6)まとめ

 まとめとして、脱原発、脱温暖化はできる、そのためにシステムを帰る必要がある、ということです。パリ合意はm漢方薬のようなものだと考えています。「じわじわ効いてくる」「効く人には効く」という意味です。どんどん訴えられていけば、社会は変わると思います。それがニューノーマルになって、株価が下がっていくことになれば社会が変わっていくと思います。

 ATTACには、私も10年前から注目していました。頑張っていただきたいと思います。最後に、脱原発の人と脱温暖化の人が協調して欲しいと思います。原子力村は、実は化石燃料村です。電力会社の政治的影響力を弱めるためには、原発だけでなく石油火力発電所も標的にした方がいいと思います。

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